タダ巻きするだけと、スプーンよりも使いやすい「クランク」。
なかには、クランクしか使用しないという人もいるほど、人気のエリアトラウトルアーです。
とはいえ、各メーカーから多種多様なモデルが販売されており、どれを選んだらよいのか迷ってしまう場合も。
そこで今回は、クランクにフォーカスしておすすめモデルをご紹介します。
あわせて選び方や基本的な使い方も解説するので、とくにエリアトラウト初心者の方は参考にしてみてください。
エリアトラウト「クランク」とは?使用するメリット

クランクには、以下のようにスプーンにはないメリットがあります。
ゆっくり動かせる
クランクは浮力があり、ゆっくり巻いてもしっかりアクションしてスローに誘えます。
スプーンと比べてよりデッドスローに誘えるので、低活性時やスレたトラウトに有効。
スプーンでひと通り釣ったあと、クランクに換えると再び釣れ始めることもあるので試してみましょう。
一定のレンジをキープできる
クランクは、リップの角度や大きさによって潜れる深さがある程度決まります。
スプーンにようにカウントダウンして自分で引く層をコントロールする必要がなく、クランクの性能にまかせてタダ巻きするだけで一定のレンジをキープできるのが特徴です。
初心者でも簡単に一定のレンジをキープしやすく、トラウトが泳いでいるレンジがわかれば連続ヒットが期待できます。
強くアピールできる
クランクはスプーンよりもボディに厚みがあって大きく、リーリングするだけでしっかりアクションします。
高活性時なら、少々レンジがずれてもヒットに持ち込むことが可能。
アピール力が強く、広範囲の魚を寄せるも効果もあります。
ただし、大きなアクションになるほどトラウトがスレやすくなるので、釣れないのにそのまま使い続けずに別のクランクやカラーをローテーションしましょう。
クランクのデメリットは価格

初心者にも扱いやすいクランクですが、唯一とも言えるデメリットが価格です。
メーカーや製品によって異なるものの、スプーンがおよそ販売価格500円前後なのに対して、クランクはおよそ1,500円前後と約3倍ほどになります。
なるべく予算を抑えたいなら、はじめはひとつのブランドに絞って、カラー違いを3つほど購入するとよいでしょう。
また、なるべくロストしないようにしっかりラインとスナップの結束方法を覚えるほか、リーダーを結ぶ必要があるエステルラインやPEラインは避けて、ナイロンラインまたはフロロカーボンラインを使用するのがおすすめです。
エリアトラウト「クランク」の選び方4つのポイント
レンジ(潜行深度)

クランクはリップの長さや角度、形状などによって潜行深度に違いがあります。
クランクの潜行深度は使用するうえでもっとも重要な要素なので、チェックしておきましょう。
メーカーによって名称や細分化の程度は異なりますが、大きく分けて以下のように型名に表記されています。
SR(シャローレンジ)

SRはリップが小さく、表層を狙うのに適しています。
クランクによって異なりますが、およそ50~80cmほどの浅いレンジを狙えるタイプを指すのが一般的です。
MR(ミディアムレンジ)

SRよりもリップが大きいのがMRです。
あくまで目安ですが、およそ1.5mほどの中層のレンジを狙えるタイプを指します。
DR(ディープレンジ)

NRよりもさらにリップが大きく、より深く潜るのがDRです。
およそ2.0mのボトムレンジを狙うのに適しています。
サイズ

クランクのサイズはバスフィッシングのクランクベイトよりもだいぶ小さく、およそ2.5~4cmが目安です。
釣り当日にどのサイズがベストなのかはわからないので、いくつかサイズ違いを用意しておきましょう。
大きいほどアピール力が強いほか、重量があってキャストしやすいのがポイント。
広いエリアで沖き目に魚が集まっているときや、すばやく広い範囲をサーチする際に活躍します。
小型サイズはロングキャストする必要がない狭いエリアにおすすめ。
また、スレたトラウトに対して、サイズダウンで食わせられる効果も期待できます。
タイプ

クランクには浮力によってタイプがあり、「フローティング」「シンキング」「スローシンキング」などがあります。
フローティングタイプは浮力が強く、リーリングを止めると浮いてくるタイプ。
表層をじっくり狙いたい場面で活躍します。
シンキングタイプには、少しずつ沈むタイプ。
なかには、よりゆっくり沈む「スローシンキングタイプもあり、中層からボトムを狙う際におすすめです。
形状

クランクは丸っこいタイプから細長いタイプまで、さまざまな形状のモデルが各メーカーから販売されています。
形状によってアクションにも違いが出るので、いくつか形状の異なるクランクを用意しておきましょう。
クランクといえば丸っこいタイプがオーソドックスな形状ですが、なかには「ニョロ系クランク」と呼ばれている個性的なフォルムのタイプも。
名前のとおりニョロニョロとしたボディで、ゆっくりリーリングしても大きな波動でスレたトラウトを誘えるのが特徴です。

エリアトラウト「クランク」カラーの揃え方

釣れないときはルアーチェンジのほか、カラーを換えてトラウトの目先を変えるのが有効です。
トラウトが何度もクランクを追ってきて食わずにUターンしてしまうシーンでも、カラーをチェンジするだけで釣れる場合があります。
さまざまな状況に対応できるよう、いくつかカラーを揃えておきましょう。
まずは、基本的の3カラー「明るめ」「暗め」「中間色」を揃えておくのがおすすめ。
余裕があれば、クリア系やグロー系のカラーも用意しておくとさまざまなシチュエーションに対応できます。
エリアトラウト「クランク」おすすめ19選
ジャッカル(JACKALL) パニクラ

ボディの背中側を薄くし、腹側を分厚くして低重心化を実現しているクランクです。
テールのウェイトとあいまって、安定したウォブリングアクションとロングキャスト性能を発揮。
ボトムノック時には、名前のとおり激しいパニックアクションでトラウトに強烈にアピールします。
ハイプレッシャー時に威力を発揮するミニサイズもラインナップしており、トラウトの活性や釣り場の状況に合わせて選べます。
製品名 | ウエイト | サイズ |
PaniCraSR | 3.0g | 32mm |
PaniCra MR | 3.3g | 32mm |
PaniCra DR | 3.6g | 32mm |
PaniCra DR-HF | 2.8g | 32mm |
ジャッカル(JACKALL) キビパニMR

板厚0.4mmの基板リップを採用しているクランク。
キビキビとした、ピッチの速いウォブリングアクションが特徴です。
大振りのアクションにスレたトラウトに、アクションの違いで反応させるクランクを目指して設計しているのがおすすめポイント。
ポンドや魚の状態を選ばないサイズ感で、大規模エリアから小規模なポンドまで幅広くパイロットルアーとして活躍します。
パニクラ譲りのボトムノックパニックアクションも魅力。
水深1m前後のエリアでは、ボトムで魚を反応させることも可能です。
製品名 | ウエイト | サイズ |
キビパニMR | 2.1g | 28mm |
ジャッカル(JACKALL) プリッキー

プリッキーの一番の特徴がロングリップ。
しっかり水を噛み、小粒ボディーを左右にキビキビと振らせるのが特徴です。
とくに、デッドスローリトリーブで威力を発揮し、トラウトがスレた状況で活躍するクランク。
ボディーを揺らしながら、艶めかしく泳ぐアクションでトラウトを誘います。
トラウトの反応が得られるレンジにすばやくアジャストできるのもおすすめポイント。
ロッドポジションの上げ下げにより、表層から水深約1.2mまで思い通りのレンジコントロールが可能です。
製品名 | ウエイト | タイプ | サイズ |
Prikkey | 1.6g | フローティング | 30mm |
ジャッカル(JACKALL) ミッツSRドライ

「フライにしか反応しないような魚を振り向かせる」をコンセプトに開発したミッツSRモデルの中で、もっとも軽量タイプのクランクです。
高浮力を重視しており、スローリトリーブからほっとけメソッドに対応。
水を確実に掴みながら、わずかなラインアクションでもトラウトにアピールします。
製品名 | ウエイト | サイズ |
Mitts SR-DRY[ドライ] | 1.2g | 28mm |
ロデオクラフト(Rodiocraft) モカ

エリアトラウトの定番クランクとして人気のモデル。
SRとDRをラインナップしているほか、浮力の強いフローティングタイプやラトル入りタイプなども選択できます。
- SR(HF):1.6g(ハイフロート)
- SR(FⅡ):2.1g(スローフローティング)
- SR(SS):2.4g(スローシンキング)
- DR(F):2.0g(フローティング)
- ラトルDR(F):2.1g(フローティング)
- DR(SS):2.3g(スローシンキング)
- ラトルDR(SS):2.4g(スローシンキング)
ロデオクラフト(Rodiocraft) ファットモカJr

ボディを太く設計して浮力を高めているクランクです。
モカよりスモールシルエットながら、強い動きでアピールできます。
- SR(SS):1.6g(スローシンキング)
- DR(F):1.5g(フローティング)
- DR(SS):1.6g(スローシンキング)
ヴァルケイン(ValkeIN) クーガ

人気クランクシリーズ「クーガ」のノーマルタイプです。
低速でもしっかりとトラウトを引きつけるワイドウォブリングが特徴。
高速リトリーブ時でも安定した泳ぎを生み出すボディーバランスや、狙いたいレンジを細かく探れる操作性も高次元で実現しています。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
クーガ | 36mm | 2.1g | フローティング |
ヴァルケイン(ValkeIN) クーガ S

ディープレンジを攻略すべく誕生したたシンキングタイプのクランクです。
ディープレンジでも頭上がりにならず、フローティングと同じボディバランスを実現するのがおすすめポイント。
フィーリングを変えずにディープレンジ攻略が可能です。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
クーガ シンキング | 36mm | 2.5g | シンキング |
ヴァルケイン(ValkeIN) クーガ nano

クーガをダウンサイジングしたクランクです。
オリジナルクーガボディ形状を見直した新シルエットを採用。
ボディ形状によるプレッシャーを抑えつつ、暴れすぎないウォブリングアクションでトラウトにアピールします。
絶妙な浮力のバランスで広範囲のトラウトをサーチできるのもおすすめポイント。
使いやすさにもこだわったボディバランスで、センチ刻みのレンジコントロールにも対応可能です。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
クーガナノ | 26mm | 1.9g | フローティング |
ヴァルケイン(ValkeIN) クーガ ディメンション L

アーチボディが印象的なニョロ系クランクです。
ロング化なボディシルエットによる、ナチュラルなワイドウォブンロールアクションが特徴。
スローシンキングタイプで低活性時に威力を発揮するほか、大物狙いでも活躍します。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
クーガ ディメンションL SS | 60mm | 3.5g | スローフローティング |
ヴァルケイン(ValkeIN) クーガ ディメンション SF

独自理論で設計されたミノーボディをベースに開発したニョロ系クランク。
スローフローティングモデルで、60cmまでのレンジアプローチに対応します。
タダ巻きでもトラウトのリアクションバイトを誘えるエクストラウォブリングアクションが特徴です。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
クーガ ディメンション SF | 35mm | 2.3g | スローフローティング |
ムカイ(Mukai) ザンム35MR

クランクの王道モデルとして人気のZANMU35MR。
投げて巻くだけで使用でき、エリアトラウト初心者の方にもおすすめです。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
ザンム35MR | 35mm | 2.0g | フローティング |
ムカイ(Mukai) KOMAYA31

管理釣り場インストラクター永井氏監修のクランクです。
強いウォブル&ロールの泳ぎで、表層から1m前後のレンジ攻略で威力を発揮。
管理釣り場スタッフの目線で、誰もが投げやすく使いやすいルアーにこだわって設計しています。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
KOMAYA31 | 31mm | 2.1g | フローティング |
ダイワ(DAIWA) プレッソ ワブクラ

クランクの基本ともいえる、ワイドウォブリングアクションが特徴のクランク。
ワイドな動きでトラウトにアピールします。
超デッドスローリトリーブでもしっかりと水を噛んで大きくアクションするのもおすすめポイント。
低活性時のトラウトに対し、スローリトリーブで攻略したい場面で活躍します。
製品名 | サイズ | ウエイト | 最大潜行深度 | タイプ |
プレッソ ワブクラDR | 30mm | 2.9g | 約1.2m | フローティング |
プレッソ ワブクラMR | 30mm | 2.6g | 約0.7m | フローティング |
ディスプラウト(DAYSPROUT) ガメクラ

ボディーセンターを軸に50対50のボディバランスが特徴のニョロ系クランク。
スローに巻けば、ユラユラと艶めかしい動きを繰り返しトラウトにアピールします。
微妙なフローティング設定にしており、超スローの限界速度でのリーリングでスレたトラウトに効果を発揮します。
製品名 | サイズ | ウエイト |
ガメクラ | 44mm | 2.3g |
タックルハウス(TACKLE HOUSE) elfin シケイダー

サーフェイス系としてロングセーラーを誇るクランクです。
ストップ&ゴーやトゥイッチング、タダ巻きなどさまざまな操作でウォブリングアクションを演出可能。
フローティングタイプにくわえて、シンキングタイプもラインナップしています。
製品名 | サイズ | ウエイト | 最大潜行深度 | タイプ |
シケイダーF | 38mm | 2.6g | 0.2m | フローティング |
シケイダーS | 38mm | 3.6g | 2m | シンキング |
オフィスユーカリ(Office eucalyptus) ざ・うにょ

ゆっくり巻いて「うにょうにょ」と動かすだけでトラウトを誘うニョロ系クランク。
スプーンや他のクランクに反応しなくなったタイミングで投入するのが効果的です。
- フローティング:3.4g
- シンキング:3.6g
ロブルアー(ROB LURE) パパバービー

ファットボディでパワフルな泳ぎが特徴のクランクです。
スタンドリップにより、表層を掻き回す強波動でトラウトを誘うのがおすすめポイント。
キャスタビリティにも優れています。
製品名 | サイズ | ウエイト | タイプ |
パパバービー | 35mm | 3.4g | フローティング |
エリアトラウト「クランク」に適したタックル
より多くトラウトのヒットさせてランディングまで持ち込むには、ひとつのタックルでスプーンやクランクに対応するよりは、ルアーに合わせたタックルを用意するのがおすすめです。
ロッド

クランクには、トラウトのバイトを弾きにくいロッドが適しています。
ファストテーパーよりも、レギュラーテーパーよりで食い込みやすい調子がおすすめ。
大きなリップを備えたクランクはフッキングしにくい面があるので、優れたクッション性でバレを軽減できるロッドが適しています。
また、クランクは水中抵抗が大きく、XULなどマイクロスプーンをキャストしやすいパワーの弱いロッドだと扱いにくい場合も。
できればスプーン用にXULやUL、クランクにはL~Mのパワーがあるエリアトラウト専用ロッドと、使い分けるのがおすすめです。

ライン
エリアトラウト専用ラインにはエステルやナイロン、PE、フロロカーボンラインなどがあります。
それぞれ一長一短があるので、基本的には自分が使いやすいラインを選ぶとよいでしょう。
初心者なら、使いやすくトラブルが少ないナイロンがおすすめ。
感度や乗せにこだわる中~上級者には、リーダーを結ぶエステルが人気です。
キャスト性能を高めたい場合はPE、ボトルをしっかりトレースするなら比重の高いフロロカーボンラインが適しています。

リール

クランクに限らず、エリアトラウトではデッドスローでリーリングする場合が多いので、ノーマルギアかローギアのリールがおすすめです。
これからエリアトラウト用にリールを購入するなら、ギア比5~5.7のノーマルギア、もしくは5以下のローギアタイプを目安に選んでください。
エリアトラウト用リールについては、以下の記事で詳しく取り上げています。初心者向けに選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

エリアトラウト「クランク」の使い方

キャストして着水したら速めにリーリングし、まずは一気に潜行深度までクランクを送ります。
そこからは、2秒でハンドルが1回転する程度のスピードで基本タダ巻きするだけでOK。
クランクが浮き上がらず、一定の層をキープできる速度で巻くのがコツです。
表層を狙い場合は、着水したらすぐにゆっくり巻きはじめましょう。
リーリングするスピードを変えてみたり、たまにロッドをあおったりするのも有効です。
【まとめ】初心者にもおすすめのクランク!
タダ巻きするだけで一定のレンジをトレースできるクランク。
スプーンのように細かいレンジコントロールが必要なく、エリアトラウト初心者の方に手軽に使えます。
今回の記事を参考に、お気に入りのクランクを見つけてみてください。