エリアトラウトでは「リール」が必要ですが、リールならどれでもよいわけではありません。
エリアトラウトに適したリールでないと快適に楽しめませんし、満足する釣果を得るのも難しいでしょう。
とはいえ、リールとひとくちに言ってもさまざま。
どれを選んだらよいのか迷っている初心者の方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、エリアトラウトリールを選ぶ際のポイントを解説。
価格帯別におすすめのリールも紹介するので、購入を検討している方は参考にしてみてください。
エリアトラウトではどんなリールが必要?選び方
エリアトラウトでは、小型のリールを使用します。
1g以下の超軽量ルアーを使用する機会も多く、海釣りで使うような大型リールは不向きです。
エリアトラウト専用モデルも一部販売されていますが、さまざまな釣りジャンルに対応できる汎用リールから選ぶのが一般的。
以下8つのポイントを押さえておけば、エリアトラウトにぴったりなリールを選べます。
- タイプ
- 番手
- ギア比
- スプール
- 重さ
- ドラグ性能
- 価格
- メーカー
では、それぞれ見ていきましょう。
タイプ
リールには、おもに「スピニングリール」と「ベイトリール」の2タイプがあります。
エリアトラウトで使うリールの主流はスピニングリール。
大きなトラブルが少なく、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
対して、ベイトリールはスピニングリールのようにキャスト時にベールの上げ下げがなく、手返しの早い釣りを展開できるのが魅力。
ただし、エリアトラウトで使用する軽いルアーをキャストしにくく、バックラッシュと呼ばれるライントラブルが発生する場合があります。
ベイトリールの進化によって使いやすくなってはいるものの、これからエリアトラウトをはじめる初心者には不向きです。
番手
スピニングリールには1000や2000といった、サイズを表す「番手」が型式に入っているのが一般的です。
エリアトラウトでは、1000番か2000番を選びましょう。
その上の2500番はバスフィッシング向き、3000番以上はおもに海釣りで使うサイズです。
ギア比
ギア比は、リールのハンドルを1回転させたときにギアが何回転するかを数値で表しています。
たとえば「4.9」「6.3」のように表示され、数字が大きいほど1回転あたりの巻き取り量が多く、小さいと少ないのが特徴。
ギア比が高いタイプを「ハイギア」、低いのは「ローギア」と呼ばれています。
エリアトラウトにおいては、マイクロスプーンをよりゆっくり巻ける「ローギア」を好む方が多い印象。
実際、一部で販売されているエリアトラウト専用リールは、ローギアを採用しています。
エリアトラウト用としてローギアのリールを選ぶなら、5.2以下程度を目安とすればよいでしょう。
スプール
ラインを巻く「スプール」は製品によって溝の深さに違いがあり、大きく分けて「シャロー(浅溝)スプール」と「ディープ(深溝)スプール」があります。
深溝なほど、太いラインをより多く巻くことが可能です。
ただし、エリアトラウトでは数10mもキャストすることはないので、どちらかを選べるならシャロースプールで問題ありません。
なお、メーカーによって異なりますが、シャロースプールモデルには「1000S」「2000S」のように品番の最後にシャロースプールを表す「S」が入っています。
「SS」や「SSS」と、Sの数が多いほどより淺溝なのでチェックしてみてください。
重さ
リールの重さは軽いほど扱いやすく、巻き感度にも影響します。
ただし、同じ番手なら軽いリールほど価格が高めな傾向があり、予算を考慮して選びましょう。
また、ロッドとの重量バランスも重要です。
ハイグレードなロッドは軽いカーボンを採用しており、高性能な軽量ロッドと安くて重たいリールの組み合わせではバランスが悪くなります。
ロッドのグレードに合わせて、エリアトラウトリールを選ぶのも方法のひとつです。
エリアトラウトロッドについては、以下の記事で詳しく取り上げています。選び方も解説しているので、参考にしてみてください。
ドラグ性能
ドラグとは、負荷がかかるとラインを送り出す機能です。
大きな魚が掛かったときに設定以上の負荷がかかると、スプールが自動で逆回転してラインが引き出される仕組みになっています。
ドラグ性能に劣るリールだとスムーズにラインが放出されず、最悪の場合ラインブレイクするので注意が必要です。
ドラグ性能の高さは、ある程度価格に比例します。
高性能なドラグほど微調整しやすく、細いラインに大型トラウトが掛かったときに安心です。
とはいえ、無名ブランドの安価すぎるリールでなければ、必要以上に気にすることはありません。
より細いラインを駆使して釣果アップを目指すなら、高性能なドラグを搭載したハイグレードモデルをチェックしてみましょう。
価格
エリアトラウト向きのリールの価格は、1万円以下から7万円前後までさまざまです。
リールは、各メーカーのテクノロジーを集約した精密機器。
同スペックのモデルで比較した場合、価格が高いほど高性能と考えて差し支えありません。
初心者がトラブルの発生を心配せず快適にエリアトラウトを楽しむには、できれば1万円以上のリールがおすすめです。
エリアトラウトを趣味として長く続けるつもりなら、2万円以上のミドルクラスをチェック。
トーナメント出場を目指すのであれば、ハイエンドモデルも視野に入れておきましょう。
メーカー
リールは性能やサイズが異なるさまざまな製品が販売されていますが、製造しているメーカーは限られています。
エリアトラウトにおいては「ダイワ」「シマノ」「アブガルシア」の3メーカーから選択しましょう。
安いからと、ネットショップで無名ブランドのリールを購入するのは危険です。
リールは精密機器であり、安価すぎる製品はすぐに壊れてしまう心配があるので注意してください。
ダイワ(DAIWA)
日本の最大手の総合釣り具メーカーです。
さまざまなジャンル別に製品をラインナップしており、エリアトラウトにおいては専門ブランド「プレッソ」を展開。
リールも豊富なモデルから選択でき、唯一エリアトラウト専用スピニングリールを販売しています。
シマノ(SHIMANO)
自転車のギアで世界的シェアを誇るメーカー。
総合釣り具大手メーカーでもあり、自転車のギアで培ったテクノロジーを活かして高性能なリールを手掛けていることで知られています。
アブガルシア(Abu Garcia)
スウェーデンの総合釣り具メーカーです。
古くからベイトリールが人気。
エリアトラウト向きのスピニングリールも販売しており、ダイワとシマノと比較してリーズナブルな価格設定が魅力です。
エリアトラウトに特化した専用リールもチェック
なかには、エリアトラウト用に特化したリールも販売されています。
現時点では唯一、大手総合釣り具メーカー「ダイワ」が、同社のエリアトラウトブランド「プレッソ」の名を冠した専用スピニングリールを販売しています。
マイクロスプーンをゆっくり巻く機会が多いエリアトラウトに特化したローギアモデルで、同社のロッドとデザインを合わせられるのも魅力です。
多種多様なリールの中から選ぶのに不安を感じるなら、候補に入れておきましょう。
エリアトラウトリールの価格帯別おすすめ11選
では、エリアトラウトリールの選び方がわかったところで、おすすめのリールを見ていきましょう。
以下の現時点での販売価格帯別にピックアップしたので、参考にしてみてください。
2万円以下のエントリーモデル
ダイワ(DAIWA) フリームス FC LT1000S
カーボンハイブリッド樹脂「ザイオンV」を採用しているエリアトラウトリールです。
前モデルと比較して25%軽量化したエアローターを搭載しており、回転レスポンスが大幅に向上しています。
- 自重:180g
- ギア比:5.2
- 糸巻量:ナイロン2.5lb-100m・PE0.3号-200m
- 1回転巻上長:64cm
ダイワ(DAIWA) カルディア FC LT1000S
ボディ自体がフレームとして機能する「モノコック構造」を採用したエリアトラウトリールです。
ねじれやたわみに強い、優れた耐久性を実現しています。
ボディとローター素材に軽量で高耐久の「ZAION V」を採用し、軽さとパワーを両立しているのも魅力です。
- 自重:170g
- ギア比:5.1
- 糸巻量:ナイロン2.5lb-100m・PE0.3号-200m
- 1回転巻上長:64cm
シマノ(SHIMANO) ストラディック C2000S
「巻き」「耐久性」「飛び」といった、スピニングリールの基本性能を備えているエリアトラウトリールです。
買い求めやすい価格ながら、剛健な「HAGANEボディ」や滑らかな巻き心地を伝える「マイクロモジュールギアⅡ」など、機能が充実しています。
- 自重:185g
- ギア比:5.1
- 糸巻量:ナイロン3lb-125m・PE0.6号-150m
- 1回転巻上長:69cm
2万円以上のミドルクラス
ダイワ(DAIWA) ルビアス FC LT2000S
滑らかな回転がより長く続くと謳う「タフデジギア」搭載のエリアトラウトリールです。
ノイズレスな回転で、快適なエリアトラウトゲームをサポートします。
重量比強度でマグネシウムを上回るカーボン樹脂を採用し、高剛性と軽量化を両立しているのもオススメポイントです。
- 自重:150g
- ギア比:5.1
- 糸巻量:ナイロン3lb-150m・PE0.4号-200m
- 1回転巻上長:67cm
ダイワ(DAIWA) プレッソ 1000S-P
エリアトラウト専用のスピニングリールです。
PRESSOリール史上最軽量の自重145gを実現しており、優れた巻き感度で釣果アップをサポートします。
唯一の専用モデルであり、どれを購入したらよいか迷っている方にオススメです。
- 自重:145g
- ギア比:4.9
- 糸巻量:ナイロン2.5lb-100m・PE0.3号-200m
- 1回転巻上長:60cm
シマノ(SHIMANO) ツインパワー C2000S
1000サイズのボディ&ローターと、2000番の大径スプールを組合わせているエリアトラウトリールです。
ロングストロークスプールの採用により、キャスト性能が向上しています。
- 自重:175g
- ギア比:5.1
- 糸巻量:ナイロン3lb-125m・PE0.6号-150m
- 1回転巻上長:69cm
シマノ(SHIMANO) ヴァンキッシュ 1000SSSPG
軽量化・低慣性化・感度アップを追求しているエリアトラウトリール。
インフィニティテクノロジーにより、抜けるようなキャストフィールや優れた耐久性、パワフルな巻きごこちを実現しています。
ライントラブルレス性能やドラグの耐摩耗性能が大幅に向上しているのも魅力です。
- 自重:140g
- ギア比:4.4
- 糸巻量:ナイロン2lb-100m・PE0.3号-120m
- 1回転巻上長:55cm
シマノ(SHIMANO) ヴァンフォード C2000S
マグナムライトローターと軽量ボディを採用し、巻き出しの軽さと優れた操作性を実現しているエリアトラウトリールです。
滑らかで静粛性の高いギアフィーリングを実現する「マイクロモジュールギアⅡ」や「サイレントドライブ」を搭載しているのもオススメポイント。
繊細なリーリングでタフコンディション攻略をサポートします。
- 自重:155g
- ギア比:5.1
- 糸巻量:ナイロン3lb-125m・PE0.6号-150m
- 1回転巻上長:69cm
各メーカーのハイエンドモデル
シマノ(SHIMANO) ステラ 1000SSPG
シマノが誇るスピニングリールのフラッグシップモデルです。
エリアトラウトリールにオススメの1000番ボディと4.4のローギアにより、スレたトラウト攻略で威力を発揮します。
- 自重:165g
- ギア比:4.4
- 糸巻量:ナイロン2.5lb-100m・PE0.3号-140m
- 1回転巻上長:55cm
ダイワ(DAIWA) イグジスト LT2000S-P
ダイワの汎用スピニングリールで最上位に位置するエリアトラウトリールです。
ラインがスプールエッジと接触するときの摩擦を軽減する「Long Cast-ABS」を搭載し、 スムーズなライン放出で飛距離約5%アップを実現しています。
糸落ち防止構造により、不意にスプール下部へラインが落ちるのを防止するほか、巻き込みによるトラブルを軽減するのもオススメポイントです。
- 自重:155g
- ギア比:4.9
- 糸巻量:ナイロン3lb-150m・PE0.4号-200m
- 1回転巻上長:64cm
アブガルシア(Abu Garcia) ゼノン 1000S
高強度のアルミ合金を採用し、軽量化を実現しているエリアトラウトリール。
同社の上位モデルながら価格を抑えた、コスパのよさが魅力です。
- 自重:142g
- ギア比:5.2
- 糸巻量:ナイロン2lb-100m・PE0.3号-120m
- 1回転巻上長:65cm
エリアトラウトリール比較表
製品 | 自重 | ギア比 | 1回転巻上長 |
ダイワ フリームス FC LT1000S | 180g | 5.2 | 64cm |
ダイワ カルディア FC LT1000S | 170g | 5.1 | 64cm |
シマノ ストラディック C2000S | 185g | 5.1 | 69cm |
ダイワ ルビアス FC LT2000S | 150g | 5.1 | 67cm |
ダイワ プレッソ 1000S-P | 145g | 4.9 | 60cm |
シマノ ツインパワー C2000S | 175g | 5.1 | 69cm |
シマノ ヴァンキッシュ 1000SSSPG | 140g | 4.4 | 55cm |
シマノ ヴァンフォード C2000S | 155g | 5.1 | 69cm |
シマノ ステラ 1000SSPG | 165g | 4.4 | 55cm |
ダイワ イグジスト LT2000S-P | 155g | 4.9 | 64cm |
アブガルシア ゼノン 1000S | 142g | 5.2 | 65cm |
お気に入りのエリアトラウトリールを見つけよう
マイクロスプーンや小型プラグを使用するのにぴったりなエリアトラウトリール。
1000番か2000番を選択し、それ以上に大きなリールを選ばないように注意しましょう。
今回紹介したおすすめモデルと選び方を参考に、お気に入りの1台を見つけてみてください。