スプーンやクランクには反応していたのに、途中からぱったりアタリが止まる……。
そんなトラウトがスレたときに効くのが、浮上系ミノーを使った「マジックジャーク」です。
本記事では、エリアトラウトで定番テクニックとなっているマジックジャークの基本と、おすすめの浮上系ミノーを厳選してご紹介します。
ニジくんやり方のコツやルアーの選び方、タックルセッティング、トゥルーチューンのポイントまで解説するので、ぜひチェックしてみてください。
エリアトラウトのミノーテクニック「マジックジャーク」とは


エリアトラウトの「マジックジャーク」とは、深く潜行できる「ロングリップミノー」を使用したテクニックです。
「ハイフローティング釣法」とも呼ばれ、アクションを止めるとすばやく浮かぶフローティングタイプの「浮上系ミノー」を使用するのがポイント。
急激なリトリーブやデジ巻きなどでミノーを一気に潜らせ、浮いたときに食わせる「ジャーク&ポーズ」が基本になります。
トーナメントでの圧倒的な実績によってフォーカスされましたが、今やエリアトラウトの定番メソッドのひとつです。
管理釣り場のニジマスに適したテクニック


かつて、管理釣り場でのミノーイングはイワナやブラウントラウト、イトウなどを狙う「イロモノ」的な位置づけでした。
トゥイッチやダートの横の動きで喰わせていましたが、よりニジマスを釣るべく生み出されたテクニックがマジックジャークです。
ペレットで育てられた養殖のニジマスは、「沈んで浮かび上がる」といった縦の動きに反応しやすいとされています。
ジャークで一気に潜らせてニジマスの目線から消えたミノーがふわっと浮き上がる動きに、思わず口を使ってしまうリアクションを狙ったテクニックなのです。
ローテーションの幅が広がる


スプーンやクランクの釣りに、マジックジャークを加えるとローテーションの幅が広がります。
常にハイプレッシャーな管理釣り場において、反応のない釣りを展開してもなかなか釣れません。
スプーンやクランクでひと通り高活性のトラウトを釣った後、スレてきた魚を拾っていく釣りで浮上系エリアトラウトミノーが活躍します。
エリアトラウト「浮上系ミノー」おすすめ製品
スミス(SMITH LTD) スティルエリア48HF


高浮力のハイフロート設計の浮上系エリアトラウトミノーです。
レンジコントロールがしやすく、ショートキャストのサイトからロングキャストのサーチまで対応可能。
48mmのボディと1.6gのウエイトで放流直後の高活性な魚を遠くから引き寄せ、すばやい潜行とふわっと浮き上がる動きで思わず口を使わせます。
カラーラインナップも豊富です。
- サイズ:48mm
- 重量:1.6g
- タイプ:ハイフローティング
- メーカー希望価格:1,400円
スミス(SMITH LTD) スティルエリアT2


タフな放流後やハイプレッシャーな状況で活躍する浮上系エリアトラウトミノーです。
40mmのコンパクトボディと1.1gウエイトで、一匹をひねり出したいシーンで活躍します。
クイックなジャークで一気に潜り、止めるとふわっと浮上する独特のアクションが特徴。
大会やスレ切った管理釣り場で強力な武器になります。
- サイズ:40mm
- 重量:1.1g
- タイプ:フローティング
- メーカー希望価格:1,400円
スミス(SMITH LTD) スティル エリアチューン


40mmのコンパクトボディと1.3gの絶妙なウエイト設定の浮上系エリアトラウトミノー。
軽快なキャストフィールと、キレのあるアクションを両立しています。
フロントフックレスでバランス調整しており、わずかなラインテンションでもしっかりアクションするのが特徴。
スレたトラウトに「見せて喰わせる」釣りをサポートします。
- サイズ:40mm
- 重量:1.3g
- タイプ:フローティング
- メーカー希望価格:1,350円
ハンクル(HMKL) ZAGGER 50 F1


上下の動きで魚を誘うマジックジャークに特化した高浮力エリアトラウトミノーです。
50mmの長めのボディと1.5gのウエイトにより、スピーディーなレンジコントロールとキレのあるジャークを両立しています。
軽い入力でもすばやく潜ってからふわりと浮き上がる軌道は、追い切らないトラウトにスイッチを入れたいシーンにおすすめ。
一定リズムのジャーク&ポーズを繰り返すだけで、安定してバイトを得やすいのも大きな魅力です。
表層を意識した魚を狙い撃ちしたいときや、スプーンに反応が薄くなったタイミングのローテーションに適しています。
- サイズ:50mm
- 重量:1.5g
- タイプ:ハイフローティング
- メーカー希望価格:1,550円
ダイワ(DAIWA) プレッソ ダブルクラッチ 45F1 tuned by HMKL


高浮力を活かしたハイフローティング設計の浮上系エリアトラウトミノーです。
45mmクラスのコンパクトなボディと1.6gのウエイトにより、軽快なキャストフィールとシャープなダイブ、すばやい浮上を実現しています。
ロッドを軽くあおって一気に潜らせ、ポーズでふわっと浮かせるだけで、縦方向のレンジ変化に反応するトラウトのスイッチを強制的にオン。
小ぶりなシルエットでプレッシャーの高いポンドでも見切られにくく、放流セカンド以降のタフコンディションでもバイトを引き出しやすくなっています。
スプーンで反応が薄くなったタイミングの切り札や、マジックジャーク入門としてもおすすめです。
- サイズ:45mm
- 重量:1.6g
- タイプ:ハイフローティング
- メーカー希望価格:1,450円
ダイワ(DAIWA) プレッソ ダブルクラッチ 60F1 tuned by HMKL


サイズ60mmの浮上系エリアトラウトミノー。
2.9gのウエイトで、軽量ミノーでは届かないポイントのトラウトを狙い撃ちできます。
高浮力ボディが生むキレのあるダイブとすばやい浮上で、スプーンにスレた魚にしっかりとアプローチ可能。
エリアトラウトの引き出しを増やしたいアングラーにおすすめです。
- サイズ:60mm
- 重量:2.9g
- タイプ:ハイフローティング
- メーカー希望価格:1,600円
ディスプラウト(Daysprout) イーグルプレーヤー 50 slim/GJ


レインボートラウト専用に開発されたスリムボディの浮上系エリアトラウトミノーです。
50mm・1.5gの設定で軽いロッドワークでもスッと縦に潜り、止めた瞬間にすばやく浮上するのが特徴。
放流セカンド以降のスレ気味な魚にも、強烈なリアクションバイトを引き出せるポテンシャルを備えています。
ショートキャストで足元を刻む釣りから、やや遠目のレンジコントロールまで幅広く対応可能です。
- サイズ:50mm
- 重量:1.5g
- タイプ:フローティング
- メーカー希望価格:1,430円
ジャッカル(JACKALL) ティモン TCレイゲン


マジックジャークに適している浮上系エリアトラウトミノーです。
潜行深度約80cmのMRと、約1.5mのDRから選択できます。
52mmのボディで適度なウエイトがあり、安定した飛距離を確保。
巻きや浮上時にわずかに鳴るラトルサウンドにより、プレッシャーの高いポンドでトラウトの本能を直撃します。
- サイズ:52mm
- 重量:MR 1.7g / DR 1.8g
- タイプ:フローティング
- メーカー希望価格:1,380円
浮上系ミノーを使ったマジックジャークのやり方


マジックジャークでは、ミノーが着水したらトラウトが泳いでいるレンジよりも深く一気に潜行させます。
潜らせるには、ロッドで操作する方法とリーリングがありますが、主流はリールを巻く方法です。
巻くのを止めて、ミノーが真上に浮いてくるときにトラウトが食いつきます。
1回のジャークでどれだけ潜らせるのかに、決まりはありません。
グリっとすばやくハンドルを1回ほど巻く、3分の1から半回転ほどのデジ巻きなど、エリアの水深やトラウトのレンジに合わせて調節してください。
浮かせる距離も、ポーズの時間を調節しながらさまざまなパターンで攻めてみましょう。
なお、ミノーをすばやく潜らせるには、ロッドを下向きに構えるのがコツです。
そのとき、ロッドのティップを水中に入れると無駄な糸フケが出ず、ミノーのアクションが安定します。


ロッドをしっかり下向きにせず無駄な糸フケを出すと、きれいに潜行・浮上ができず、ルアーの動きが安定しないので注意しましょう。


エリアトラウト「浮上系ミノー」の選び方
フローティングタイプのロングリップミノーを使用
ルアーは、リップが長く角度の小さいロングリップミノーを使用します。
また、フローティングタイプも絶対条件です。
シンキングタイプやサスペンドタイプだと、マジックジャークが成り立ちません。
サイズは45~60mm
マジックジャークでは、45~60mmサイズのロングリップミノーを選びましょう。
基本的に、大きいほど水深のあるポイントに向いています。
45mmと60mmの両方を用意し、状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
大物狙いに的を絞るなら、75mmクラスの大型タイプもチェックしてみてください。
カラーは明暗の2タイプを用意
釣り始めは、シルバー系など明るく光るカラーで活性の高いトラウトを狙いましょう。
明るいカラーは視認性も高く、マジックジャーク入門としてもおすすめです。
スレてきたら、ブラウン系やオリーブ系の暗めのカラーにチェンジというように、明暗の2カラーを用意してローテーションしましょう。
マジックジャーク向けのエリアトラウトタックル
ロッドはパワーがあるタイプをチョイス
深く潜行できるロングリップミノーは、リーリングした際にロッドに強い抵抗がかかります。
柔らかいロッドだと抵抗に負けてしまい、ミノーを一気に潜らせる操作がしにくいため、ベリーからパットにかけてある程度の張りがあるL(ライト)、ML(ミディアムライト)クラスのパワーがあるロッドを選びましょう。
エリアトラウト専用ロッドについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。


リールはハイギアタイプがおすすめ
リールは2000番クラスのハイギアタイプがおすすめです。
マジックジャークは、トラウトの目線からミノーを消す深さまで一気に潜らせるのが肝なので、すばやく巻き取れるハイギアタイプが適しています。
エリアトラウト向きリールについては、専用モデルも含めて以下の記事でご紹介しています。


ラインはエステルかPEラインを使用
リールに巻くメインラインはエステルかPEラインを選びましょう。
PEラインは水に浮きやすく、エステルは水に馴染みやすい特性があります。
どちらも感度が高く、マジックジャークとの相性が良くおすすめです。
エリアトラウトのラインについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。


ミノーは「トゥルーチューン」が必須


ミノーはバランスを取るのが難しいルアーで、新品でも真っすぐ泳がない場合があります。
その傾きを直すのが「トゥルーチューン(アイチューン)」です。
やり方は簡単。
ペンチやフォーセップでアイをつまみ、曲げるだけです。


キャストして真っすぐ引いてきたときに、右に傾くならアイを左へ曲げ、左に傾くなら右に曲げましょう。
ルアーによっては、指でつまんで曲げられるタイプもあります。
ほんの少し曲げるだけで泳ぎが変わるので、あまり大きく曲げないように注意してください。
サイズが小さいエリアトラウトルアーに適した「小型プラグ専用アイチューナー」も販売されています。
小型プラグの性能を最大限に引き出したい方は、チェックしておきましょう。
まとめ|浮上系ミノーのマジックジャークでスレたトラウトを攻略!
マジックジャークは、ロングリップのフローティングミノーを一気に潜らせ、ふわっと浮上させる動きでリアクションバイトを狙うエリアトラウトの実戦的なテクニックです。
スプーンやクランクでひと通り釣ったあとに投入すれば、スレたニジマスからもう一段階深いバイトを引き出せます。
今回の記事を参考に、ハイプレッシャーな管理釣り場を攻略しましょう。



トゥルーチューンでミノーを真っすぐ泳ぐ状態に整えておくことも忘れないでくださいね。









